DV男に好かれる女性
このページでは、DV男に好かれそうな女性の心理・特徴の後編をお話しします。
前回の、DV男に好かれる女性…①から、2回に分けて説明しています。
DV男に好かれそうな女性の心理・特徴は、
の8つです。
多くのDV男はこんな女性が大好きです。
この心理・特徴が多く当てはまると、ずっと狙われ続けますから、気を付けてほしいと思います。
今回は、⑤~⑧まで説明していきます。
⑤ 劣等感・罪悪感の強い女性。
これはテキメンです。
は、自分に自信がありません。
自分が他人より劣っていて、自分が何をしても意味がないと思っています。
そして、目の前で起こっている悪いことが、全部自分のせいだと思ってしまいます。
誰だって他人より勝っているところはあるし、劣っているところもあります。
なので他人より劣っているところがあるからと言って、そんなにつらがる必要はないんです。
ですが、そこまで思えない女性がいます。
一概には言えませんが、叱られすぎて、自分が悪いと思うパターンもあるでしょう。
あまり親に相手にしてもらえなくて、「自分がいけない子だから」と思うこともあるでしょう。
もしかすると、自分が悪いと思う方が都合がよいのかもしれません。
とりあえずいろいろな理由で、劣等感や罪悪感を育ててしまっている女性がいます。
私も、小さいころから劣等感が強いタイプだったので、気持ちはよくわかります。
劣等感・罪悪感の強い女性は、自分を「世の中のお荷物」と思っています。
お荷物の自分なんて、誰も相手にしてくれない。
普通の人は、自分など見向きもしないだろう。
などと考えています。
ですから、結婚する相手に求めるものが低く、低くなります。
普通の人が、華々しくて、自分にはもったいないと思ってしまうんです。
なので、「DVするくらいの人が、自分にはお似合いだ。」みたいな考えになっていきます。
彼氏に暴力をふられても、自分が劣っているからだと思ってしまいます。
そこをDV男はうまく利用します。
どんなに理不尽に暴力をふるわれても、自分のせいにしてしまう。
そんな女性、都合がよすぎます。
そんな女性を、DV男はどうしても手に入れたいです。
自信のなさそうな女性を、ずっと探しています。
ずっと自分のものにしようと見つめています。
⑥ 正義感の強い女性。
正義感の強い女性が、DV男を許すなんて、意外に思われることでしょう。
私も相談を受けていて、意外に思っていました。
正義感が強ければ、世の中の悪に立ち向かえるのではないのかと。
DV男の誘いを、鼻であしらうことができるのではないのかと。
ところがどっこいなんです。
まず、DV男は結婚してから本性を現すことが多いです。
そして、女性とつきあう時、正義感が強いようにふるまうのなんて簡単なんです。
実際DV男は、間違った、強い正義感を持っていますし。
付き合う時は、2人とも正義感が強いという共通点があって、とても魅かれあいます。
そしてこの時、せっかくの女性の正義感は、登場の機会がありません。
女性の正義感の出番は、残念ながら、結婚してDVが進行してしまってからです。
もう情が移って、別れづらくなってから発揮されます。
暴力をふるわれて、何年かたった後。
子どももできて、身動き取れなくなってしまっています。
そこでやっとの登場です。
妻にはどうしようもないのに、
「夫のDVを治してあげよう!」
と思ってしまうんです。
その正義感を、DV男を寄せ付けない方向に使っていればよかったのに・・・。
もう、あとの祭りです。
こういうことは、往々にしてあります。
DV加害者の治療で触れたように、DVは加害者が1人にならないと止みません。
妻がいては甘えてしまいますから、逆効果になってしまいます。
妻が夫を救おうとしても、失敗する可能性がむちゃくちゃ高いですから、やめた方がいいです。
命が危ないです。
もう暴力をふるわれた人は、夫を救おうとするのではなく、逃げましょう。
⑦ 自分で決められない女性。
DVする人でなくても、頼ってくる女性が好きな男性は多いです。
女性のほうもそれを心得ていて、甘えていって男性をゲットする人がいます。
その生き方を長く続けると、何も決定できなくなっていきます。
自分が決めないと責任も取れないので、積極的には動けません。
男性の言うとおりに従う、所有物のようになってしまいます。
そんな女性がDV男と出会ったら・・・。
DV男は何でも決めたがりです。
女性の仕事、生活、気持ちのことまで、全部決めてくれます。
何も決めれない女性にとって、DV男は頼りがいのある、ステキすぎる男性です。
相性バツグンです。
自分で決められない女性は、DV男に頼りきりです。
DV男に教えられるまま、考え方もDV男の好きな女性になってしまいます。
男の色に染まってしまった状態です。
何をするのにも、彼の意見を聞かないと、できません。
ところで、DV夫にとって、1番腹の立つことってなんでしょう。
それは、妻に逃げられることです。
今まで手塩にかけて育ててきた「奴隷」が逃げる。
DV夫にとっては、今までの時間・労力・金銭を無駄にしたということです。
飼い犬に手を噛まれ、バカにされ、人生を否定されたような気持ちになります。
はらわたが煮えくりかえり、焦りまくります。
また、訴えられたり、逮捕される恐怖まであるのです。
「逃げる」ことは、DV夫に対して、最大の復讐なんです。
なのでDV夫は、絶対に復讐されない、逃げない女を作る必要があります。
そこで、の登場です。
自分の人生を男性にあずけ、頼りきって、彼がいないと何もできない。
はDV夫に「逃げろ」と言われないかぎり、逃げられません。
夫がどこに行っても、ずっと夫の帰りを待っています。
⑧ さみしがりやな女性。
ある時相談室に、「今まで3回結婚したけど、3人ともDV。」という被害者が来られました。
1回目の結婚ではDV相談して、子どもを連れて逃げて、離婚したそうです。
そのあと、出会い系サイトで別の男性と知り合って結婚してDVで、また逃げました。
そのあと、出会い系サイトで知り合った別の人と結婚したそうです。
そしてまたDVで、子どもにも暴力をふるうからまた逃げたいとのことでした。
私はあっけにとられ、何から質問すればいいかわからなくなってしまいました。
それでも気を取り直して、暴力の状況を聞きました。
逃げた方がいいと判断しましたが、今までの経緯も聞いてみました。
彼女は最初、会社員の男性と普通の結婚をしたつもりでしたが、子どもが産まれてから、暴力が始まりました。
でも彼女は、夫のほかに親族、友達などがいなかったため、どこにも行くところがありませんでした。
なので3年間、DVを我慢していたのですが、もう命が危ないと思い、DV相談しました。
相談すると、すぐ逃げることができて、マンション型のシェルターに入ったそうです。
彼女は、暴力の後でもあり、気力を無くしていました。
生活保護を何か月か受けた後、児童手当と児童扶養手当と少しのアルバイトで生活していました。
生きる気力が出てこないし、子育てはままならず、ネグレクト状態におちいりました。
そこで、ネット依存になりました。
ネット掲示板にグチを書き込むことでうさばらしをして、何とか自分を保っていたようです。
そこで、出会い系サイトを見つけ、書き込みをすると、優しくしてくれる男性が現れました。
人とつながれたことで、彼女は気力も回復してきて、子育てもまあまあできるようになりました。
そしてその男性と付き合って結婚しました。
その男性とは、せまいワンルームマンションで暮らし、いい環境とは言えませんでした。
ですが、「前よりはましだから幸せ。」と思っていました。
ほどなくして、暴力が始まりました。
せまい部屋で行われることでしたから、近所の人に通報されました。
彼女はまた逃げることになりました。
今度も、マンション型シェルターに逃げたのですが、1人がつらかったそうです。
そしてまたネット依存になり、出会い系サイトで今の夫と知り合いました。
また優しくされたので、付き合いました。
今度の夫は、結婚しないうちから、暴力をふるわれました。
彼女は、「また失敗か。」と思いました。
ですが、もう自尊心は最低にまで落ちてしまってます。
もう、劣等感のカタマリですから、
「こんな自分には、DV男性しか相手にしてくれない。」
と思い、DVとわかっていながら結婚しました。
もうDVとわかっているのですから、彼女は我慢する気でした。
でも、子どもにまで暴力をふるいだしたので、これはいけないと思い、相談に来たそうです。
私はずっとあっけにとられっぱなしで、口をアングリして聞いていたのではないかと思います。
ビックリです。
今までの彼女の不幸な人生は、彼女自身が作り出したものです。
それを正面から受け止めず、グチることでごまかして生きてきたのは間違いないです。
でもそれを今さら叱っても意味はないし、彼女には支援が必要です。
もうどこから戻ったらいいかもわからないですが、聞いてみました。
私、 「出会い系サイトに集まる男性が、何をしに来るのかは知ってる?」
彼女、「うん。知ってる。」
私、 「じゃあ、まともにあなたと付き合おうって思ってる男性じゃないってわかるよね?」
彼女、「うん。わかってる。だいたい1回会ったら終わりだもの。」
私、 「でしょうね。よく2回も結婚したね。」
彼女、「うん。数は覚えてないくらい、何十人も会ったから。」
私、 「何十人もの中の2人ってわけね。」
彼女、「そうそう。2人が私みたいなのを拾ってくれた。」
私、 「そう。”拾ってくれた”なんてペットみたいじゃない?」
彼女、「そうだよ。私なんてペット扱いだよ。」
私、 「ペット扱いでもよかったの?」
彼女、「うん。ペットのほうが楽だし、優しくしてくれるから。」
私、 「でも、あなたは人間じゃない? 人として愛されたくはないの?」
彼女、「うん。その方がさみしくないから。」
私、 「そっか。でもペットのままだと、またDVになる可能性もあると思うけど。」
彼女、「そうだね。やっぱ人間がいいかなあ。」
私、 「そう思うよ。私も協力するけど、ゆっくり人間になってみる?」
彼女、「うん。やってみる。」
と、こんな変な会話をかわしました。
私は彼女を被害者支援を昔からやっているNPO法人のシェルターに逃がしました。
そのNPO法人では、被害者のケアが充実しています。
彼女は、誰かにいつも相談できる環境でないといけません。
1人にしておくと、また同じことを繰り返す可能性が高いからです。
彼女は、根本的に考え方を変えていく必要があると思いました。
私はシェルターの職員と、彼女の今後のケア計画を作りました。
私もたまにシェルターに行くので、その時彼女に会って話しました。
その都度、シェルターの職員と彼女の変化に合わせて、計画を変えていくお手伝いをしました。
シェルターの職員と話していて、彼女は「ただのさみしがりなだけ」だと意見が一致しました。
ずっと誰かと一緒にいたいだけなんです。
彼女は、シェルターでいろいろなことを教わりました。
心の持ち方など、上手にコントロールできるようになり、半年ほどで、1人で子育てできるようになりました。
ひとりでいても、つらくありません。
もう優しくされたくて、その日限りの男性をわたり歩くことはないでしょう。
彼女はシェルターをでて、一人で暮らしました。
シングルマザーは忙しいですが、趣味の音楽を始め、息抜きもできているようです。
彼女は過去を振り返って、
「さみしがって求めるだけでは、いつまでも満足しない。」
「子どもといて幸せ。と思えるようになったから自立できた。」
と言っていました。
何か、生きる上で必要な本質的なことを、学んだんだと思います。
特徴が多いと危険性が高まる
あたりまえのことですが、今回と前ページDV男に好かれる女性…①でお伝えした心理・特徴に多く当てはまるほど、DV男に見つけられる危険性は高まります。
上の、に出てきた女性は、
「地味」で、
「頼りになる人がいない」し、
「自分の意見は言わない」し、
「シングルマザー」だし、
「劣等感が強い」し、
「自分で決められない」、
「さみしがりや」な女性です。
こんな風に、いろいろ特徴が重なっている人はやはり、DV男に狙われやすいです。
また、DV男が好みと言っている人は、この特徴に多く当てはまる女性です。
簡単に言えば、
・何をしても文句を言われない。
・思い通りにしやすい。
・何かあっても助けが来ない。
・後で言いくるめることができる。
と思われることです。
DV男に、「この女チョロい。」と思われてしまえば、ターゲットになります。
「男性に守ってもらおう。」と思っている女性は、男性とつきあう時、気をつけてほしいと思います。
DV男は女性を上手に教育していきます。
あなたの劣等感を育てるのなんて、お手の物です。
つきあうと同時に教育は始まりますから、結婚して暴力が始まってからでは遅いです。
結局、自分の身を守れるのは、自分です。
次のDV被害者の心理では、被害にあっている妻の心理について、お話ししたいと思います。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。