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大丈夫。自由は怖くない

逃げる難易度

このページでは、夫婦の状況によって逃げやすさが変わることについて、考えていきたいと思います。

逃げる難易度は、「夫の職業」、「DVのタイプ・期間」、「妻が働いているか」、「子どもさんがいるか」、「夫婦の依存度」などで、千差万別に変わります。

「夫の職業」
DV夫が多い職業というのは、あまりありません。
職業だけで言えば、多岐にわたっています。
強いて言えば、職業ではないですが、待遇の悪さが理由で転職を重ねているタイプは多い印象です。

ここで言う「夫の職業」は、夫の仕事の自由度によって難易度が変わるということになります。
DV夫はほとんどの場合、妻を束縛しますから、夫の自由な時間が多いほど、逃げづらくなります。
夫が事務職など、拘束時間が多いほど逃げやすいですし、自営業だったり、外回りの営業職や、無職の場合はとても難しいです。

「DVのタイプ・期間」
やはり暴力がひどいほど、妻の無気力が増大されていきますから、逃げるのは難しいです。
暴力のひどさは、DVが始まってからの年月にも左右されます。
DVは、暴力はエスカレートするにあるように、最初はモラハラのみだったり、少し肩を叩いたりくらいから始まって、だんだんエスカレートしていきます。
DVを受け始めてから時間が経つほど暴力はひどくなり、引き返すのが困難になっていきます。
時間と暴力とともに、夫の洗脳も進んでいきますから、妻も夫の言うとおりになっていく(言うとおりにせざるをえない)ので、ますます逃げづらくなります。

逆に「精神的DV(モラハラ)」のみだったり、「経済的DV」のみだと、妻がDVと自覚していない場合も多いですし、公的なシェルターには、なかなか逃げることができないという問題を抱えています。
DV夫の中には、それがわかっていて「身体的暴力」をふるわない、狡猾な夫もいます。
運が重ならないと、逃げられないパターンです。

「妻が働いているか」
妻が無職よりは、パートでもなんでも働いている方が逃げやすいです。
他にも定期的に外に出る機会がある妻ならいいですが、なにぶん、DV夫は妻を束縛します。
妻が「外の世界」に出るのを、夫はものすごく嫌がりますから、働かせてもらえないことは多いです。
PTAの役員などでさえ反対するDV夫さえ多くいます。

また別に、妻が働いていても、総合職のキャリアや公務員など、安定収入のあるフルタイムの正社員の場合は、逆に逃げにくいです。
夫と別れたときのため、子どものためにも仕事を辞めることができないし、休みづらいのもあって、一時期でも身を隠すことがむずかしくなります。

「子どもさんがいるか」
子どもさんの年齢によっても違いますが、シェルターに逃げるとなると、一時的に学校を休んだり、転校しなければならないことがあります。
DVを見てきている子どもさんの精神状態には、一番気を使いたいところですから、事情によっては逃げられない理由になったりします。
ですが、暴力が子どもさんにおよぶ危険性や、暴力を見せるという虐待のことを思えば、言わずもがな、ですよね。

「夫婦の依存度」
誤解…被害者はなぜ逃げない?にあるように、夫も妻も相手に依存して、相手なしでは生きていけないような状態になっていることを、「共依存」と言います。

DV夫の方は、優越感を味わうために暴力をふるう。
暴力をふるわせてくれる相手がいないと生きていけない。
かたや、妻の方は意外にも、暴力をふるわれても相手に尽くして、被害者となることで自分の清純さを感じ、劣等感をまぎらわす。
こちらも、暴力をふるう相手がいないと生きていけないんです。
お互いが、「相手」に、そして「暴力」に、依存している状態です。

「共依存」が強ければ強いほど、妻は逃げる気になりません。
妻に逃げる気がなければ、相談員が何を言っても逃がすことはできません。
親などの、まわりの支援者も、手をこまねいて見ていることしかできません。
無理やり逃がせたとしても、また戻ってしまうのがオチです。

「共依存」が強いことは、逃げる難易度を上げる、最大の障害です。

難易度の事例

上に書いた理由や、夫婦の性格などが複雑に重なり、難易度を上げることになったりするのですが、
次のページからは、私がいままで見てきた例をお話ししたいと思います。
難易度ⅠからⅥまでの事例を挙げていきますが、数が上がるごとに難易度も高くなっていきます。

難易度別の事例は、
難易度Ⅰ・・・夫が会社員(事務職)で、妻がパート職員の事例(子どもはいない)。
難易度Ⅱ・・・夫が会社員(営業)で、妻が主婦。子どもが0才2か月の事例。
難易度Ⅲ・・・夫が医師で、妻が主婦。子どもが小学校1年生の事例。
難易度Ⅳ・・・夫が無職で、妻は会社員。子どもが5才の事例。
難易度Ⅴ・・・夫が自営業で、妻は夫の会社の手伝い。子どもが中学校2年生と小学校6年生の事例。
難易度Ⅵ・・・夫も妻も公務員で、子どもが小学校4年生と2年生の事例。
の6つです。

次の事例Ⅰ…夫婦のみの世帯では夫が会社員(事務職)で、妻がパート職員の事例についてお話しします。
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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