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大丈夫。自由は怖くない

シェルターの種類

夫から逃げることになったとき、ご実家や、お友達の家に身を寄せることも少なくありません。
ですが、相手は暴力ありきの世界に生きているDV夫ですから、親族やお友達への殺傷事件も起きています。
あなたの安全を確保するのはもちろんですが、夫の興奮を冷ます意味でも、シェルターに逃げるのは大切なことです。
今のところ、この方法がベストと考えています。

このページでは、世にあるDVシェルターには、どんな種類があるのかをお話しします。
2つの側面からの分類で、2種類と3種類に分かれます。

1つ目の分類は、どこが持っているかで、
① 公的なシェルター
② 民間のシェルター

の2つに分かれます。

2つ目の分類は、シェルターの形態で分かれます。 大きく分けると3つですが、異形態なシェルターも少し紹介します。
代表的なシェルターは、
① 共同生活型シェルター
② アパート・マンション型シェルター
③ 下宿・シェアハウス型シェルター

の3つです。

どこが持っているかの分類

① 公的なシェルター

都道府県・市区町村・警察など、公的な機関のシェルターです。
配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)・警察のシェルターなどがこれにあたります。

配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)のシェルターは、たいてい一時保護なので、2週間前後の期間しか滞在することができません。
「今逃げないと危険!」というときのみ、逃げることができます。
入所料金は無料なので、一時保護の間、生活の心配はありません。

一旦シェルターに入ってしまうと外出を制限されます。
携帯は相談員が預かり、外部との通信手段はたいていの場合できません。
実家など、外部とどうしても連絡を取りたい場合は、シェルターの電話を使って相談員など、誰かいる所で電話するようになります。
その理由は、シェルターのあるところを知られるのを防ぐということと、共依存の強い被害者は、数日すると夫のことを心配し、連絡してしまう衝動が起きますから、それを避けるということです。

シェルター内では、被害者一人ひとりに相談員が付きます。
2週間前後の間に相談員のサポートにより、「次はどこで暮らすか?」「どこで働くか?」「子どもの学校などはどうするか?」などを考えて、新生活の準備をしていきます。

相談員は一時保護の間に被害者と相談して、
1.市区町村へ住民票などの発行禁止の手続き
2.裁判所への保護命令の手続き代行と安全の確保
3.警察へ連絡し、被害者の実家等の見守りのお願いと保護命令の後の支援の調整
4.医療と連携して、被害者への心のケア
5.新生活(アパート、母子施設の確保など)の準備
6.就職口のあっせん
7.子どもの保育園・託児所・学校への申し込み手続き代行
8.サポートをお願いできそうな親族や、友達との連絡調整
9.手持ち金が無いようであれば、生活保護の手続き
10.離婚したいのであれば、離婚調停の手続き代行
11.弁護士の紹介

など、てんてこ舞いで対応してくれます。

長期にわたってDVを受けている(いわゆるDV漬け)被害者は、自分がこれからどうしたいのかさえ、考えられないような状態の方もおられます。
相談員は、そこを上手に引き出し、被害者の心を前向きに持って行きながら、新生活の準備のお手伝いをしてくれます。

次に、警察のシェルターに入る場合です。
警察のシェルターは数が少なく、DVの場合、配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)のシェルターに行くまでの一時預かりみたいなもので、数時間から何日かまでくらいしか居ることができません。
ここも無料で入れ、次の行き先を探してくれます。
ですが、警察のシェルターには、DV被害者だけが入るだけではありません。
他の犯罪に巻き込まれたり、家で虐待を受けたりと、「今日帰ると命の危険がある人全般」の人がおられます。
DVの時は、専門のシェルターがいくつもあるので、すぐ専門のシェルターに案内されるかもしれません。

② 民間のシェルター

民間シェルターはその名のとおり、民間のシェルターで、NPO法人や社会福祉法人などが運営しているシェルターです。
ここに逃げた場合は、公の機関の一時保護とは違い、長期間滞在できることがあります。
それぞれ違う団体が運営していますので、形態も様々です。

DV専門のNPO法人は、弁護士事務所が運営していることが多いです。
主にアパート・マンション形態のシェルターを持っており、保護命令や、その後の離婚手続きへの動きがスムーズです。
数が多いですし、公的なシェルターよりも離婚に向けてのサービスが充実している所もありますから、こちらを選ぶ方もおられます。
公的機関に相談に行った場合でも、紹介されることが少なからずあります。
でもその代わり、利用料がかかることが多いです。
家賃分のみの負担とか、1日1,000円~2,000円などの料金設定です。
自由度はそのシェルターごとに違いますが、公的シェルターよりは自由です。
買い物も電話もできる所が多いですが、シェルターの場所を人に教えることと、夫に電話したりは制限されるところが多いです。
そして、買い物などに出ますから、夫や、夫の関係者が近くにいるようなところは避けなければいけません。
少し遠くに行くようになるかもしれませんね。

それに、公的なシェルター(配偶者暴力相談支援センター・女性センター等、自治体の持っているシェルター)には、夫婦か事実婚関係でないと、法律の規定に合わないので、逃げるのが難しいです。
彼氏・彼女の関係などで暴力をふるわれ、警察などに相談して、逃げたい場合は、民間シェルターに逃げるしかありません。

民間シェルターのパンフレットなどの情報は、配偶者暴力相談支援センター・女性センターや福祉事務所などの公の施設にもあります。
また、お友達の中にも詳しい方がおられるかもしれません。
お友達や親族の紹介で民間シェルターを利用される方も少なくないです。
でも公的相談機関以外からの紹介の時は、シェルターを運営している団体について、調べておいた方がいいです。
いかがわしい団体にだまされる事件も起きています。

シェルターの形態での分類

① 共同生活型シェルター

共同生活型シェルターは、公立のDVシェルターとして作られた施設と、民間シェルターで、別の用途で作られている施設(私立の児童養護施設など)に入れてもらう場合との2種類です。

公立の共同生活型シェルターは、配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)のシェルターが主ですが、ビジネス旅館のようなところを想像するといいです。
施設が大きく、世帯ごとに部屋は分かれていますが、食堂があり、食事は基本的には食堂で行うか、各部屋に持って行って食べます。
給食やお弁当が出る所もありますが、入所者と職員で食事を作るような所もあります。
トイレは各部屋に付いていることもありますが、共同の施設のほうが多いです。
お風呂は共同で、子どもが遊べる「プレイルーム」・「談話室」のような共同のスペースに本などが置いてあり、他の入所者と話すこともできます。

民間シェルターの共同生活型シェルターは、児童養護施設や老人ホームなどの既存の施設に入ります。
たいてい社会福祉法人が経営していて、施設の空き部屋に入れてくれる感じです。
児童養護施設や老人ホームなどでは、入所している子どもたちや高齢者と一緒に生活します。
給食が出ますが、食事の用意や掃除などを手伝ったりすることもあるでしょう。
余談ですが、児童養護施設は、上記の公立の共同生活型シェルターと同じような施設が多いですが、最近はグループホーム型といって、一軒家に職員と子どもたちが一緒に住むような形の施設も増えています。
そのようなシェルターだと、施設っぽくないので、リラックスできると思います。

② アパート・マンション型シェルター

この型が一番多いと思うのですが、アパート・マンション型シェルターは、女性センター・警察・NPO法人等が借りている、普通のアパート・マンションです。
生活用品は一式だいたい揃っています。
公立だと、お弁当が毎食届くようなところもありますが、基本は自由に生活ができます。
買い物に出たりできますし、長期間居るようになれば、子どもを学校に行かせたりもできます。

ただ引っ越したような感覚ですが、制限はあります。
「シェルターの場所を、絶対に誰にも教えないこと。」です。
シェルターを出た後もです。
大きい公立の施設なら、ガードマンを雇ったりできます。
ですが普通のアパート・マンションでは、金銭的にも見た目的にもガードマンが雇えません。
シェルターの場所が漏れることは、シェルター側からすると死活問題です。
マンションの前にガードマンがいたら、明らかにおかしいですよね・・・。

最近は、携帯のGPSを夫が把握していて、居場所がばれてしまう可能性があります。
その危険性がある場合は、携帯を相談員などに預けたり、携帯を替えるように言われるかもしれません。
預ける場合は、別の携帯を支給されることもあります。

居られる期間は、数日~1.2年と様々です。
でも、長くても半年ほど経つと、被害者の今後が決まってきます。
(家に帰る・離婚して実家や施設に住む・遠いところに行くなど)
時期を見て、新たな生活を始めるようになると思います。

③ 下宿・シェアハウス型シェルター

下宿・シェアハウス型はその名のとおり、下宿屋・シェアハウスがシェルターになっているのですが、民間シェルターに多いです。
下宿型は、寮母さんみたいな人がいて、食事を作ったりしてくれます。
シェアハウス型は、入ると真ん中にリビングダイニングがあって、その周りに個人の部屋があるような感じです。
食事は全員で作ったり、当番制だったり、おのおので作って食事したりと様々です。
だいたい生活用品一式は揃っています。
お風呂やトイレは共同ですから、掃除当番があるかもしれません。

民間が主ですので、制限の形も様々です。
「場所は絶対秘密!」という所から、「夫が訪ねて来れる」所まであります。
当然ですが、「夫が訪ねて来れる」のは、夫も了解済みで妻が一息つきたいときに使うなど、「絶対に夫が暴れない」とわかっている人のみです。
DVの程度や状況によって、紹介されるところも違ってきます。

居られる期間も様々ですので、紹介される時に、よく確認してくださいね。

④ その他のシェルター

上の3つの形態が主ですが、少し異形態のシェルターもあります。
NPO法人や、社会福祉法人、民生委員さんや町内会長さんなどが経営している所に行くパターンです。

お寺の中に保育園があるような社会福祉法人、ありますよね。
お寺や神社に寝泊まりさせてくれるようなシェルターがあります。
小さいお子さんがいる被害者にはとても適しています。

他にも、宗教法人が教会やお堂をシェルターとしていたり、民生委員さんや町内会長さんなどが旅館や宿泊施設を経営していて、そこをシェルターとして登録し、使わせてくれるところもあります。

全国にDVシェルターは多い

上記のように、シェルターには種類が多くありますし、数も多いです。
DVで逃げる時は緊急を要しますから、相談を受ける施設は、いつでもどこかに逃げられるようにしていなければなりません。
毎日連絡を取り合って、どこか逃げられるシェルターを確保しています。

相談して、多くは配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)の持っている共同生活型シェルターか、NPO法人の持っているアパート・マンション型シェルターに逃げることになると思います。

DV相談に行くと、物事が急に進むので、戸惑う方もおられると思いますが、逃げた後の楽しい生活を想像してくださいね。
自分の人生は自分で作っていくことができます。

次の、シェルターの中の生活では、シェルターに入った時の、中での生活の様子をお話ししていきます。
今回も、長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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