イメージ画像

大丈夫。自由は怖くない

相談から逃げるまでの流れ

このページでは、相談に行って「逃げる」ことになった場合、どうなっていくのか基本的な流れを説明したいと思います。
次に何が起こるのか、知っていた方が安心しますよね。

どこに相談したらいい?でお伝えしたように、それぞれの相談機関で、実際相談した場合、どのようにして逃げるのかをお話しします。
相談に行った場所別に見てみましょう。

警察に相談した場合

警察には、「身体的暴力」がひどい場合に相談するのがいいです。
保護命令が出た後や、その他のことでも、物理的に守ってくれるのは警察です。

大きい警察署でDV相談すると、たいていはもう慣れていますから、女性職員が対応してくれたりして、流れるように話が進みます。
あなたが被害届を出して、逮捕してほしいと言えば、夫を逮捕してくれます。
夫の怒りが収まるまでの間(数時間から1~2日くらいまで)身を隠したいというなら、警察が持っているシェルターに泊まらせてくれるような署もあります。
ですが、警察のシェルターは、基本、何日もいられません。
逃げることになれば、配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)のシェルターや、民間シェルターを探してくれますから、そちらに逃げることになるでしょう。

シェルターまでは送ってくれますし、もしあなたが車で行きたいなら、夫に見つからないように誘導したりもしてくれます。
また、警察に夫が探しに来た場合、あなたの居場所は隠してもらえます。
そして、市区町村と連携して、あなた以外の人が、住民票などを取りたいと言った時、出ないようにしてくれますから、心配はいりません。

もう一つ、逃げる時に、あなたのご実家の方が危険な場合には、警察に話しておく必要があります。
ご実家の方も身を隠した方がよかったり、警戒してもらったりする場合にも、相談しておいて、守ってもらいましょう。
DV夫が、逃げた妻を追って、実家や親密な友達が危険な目に遭うことは、可能性が大きいですし、全国で前例もありますから、警察は守る努力をして下さると思います。

上記のように、警察に相談して逃げる場合、大きい警察署では流れるように事が進みますが、交番など小さい警察署だとうまくいかないことがあります。
向こうが慣れていないので、こちらの説明が長くなってしまい、夫にばれる危険性が高まります。
また、帰るように説得されてしまったりすることもありますから、なるべく大きい警察署に行くことをお勧めします。

それと、加害者が夫婦関係か、事実婚関係でないと、公的なシェルターには逃げるのがむずかしくなります。
彼氏・彼女で一緒に暮らしていない場合は、被害届を出すか出さないかの問題になります。
逃げるとすると、民間シェルターで受け入れてくれる所を探すようになります。

配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)に相談した場合

配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)はDV専門の機関ですので、DVシェルターを内緒の所に持っていますから、逃げるとなればすぐシェルターに入れます。
もしそこが空いていない場合は、民間シェルターなどの他のシェルターを探してくれます。

担当の相談員が付きますし、保護命令や離婚のこと、次の生活のことなど、全般的に相談にのってくれます。
また、嘱託医を配したりして、カウンセリングを受けられるようになっています。

警察に相談した場合も、配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)のシェルターに送る場合が多いです。
(地域によってはNPO法人の方が多いところもあります。)
市区町村(女性センター・福祉事務所)に相談しても、結局ここに逃げることが多いです。
なので、逃げるための施設と言ってもいいと思います。
逃げた後は、お住まいだった市区町村と連携して、住民票などの発行禁止の手続きをしてくれますし、
シェルターを出た後の生活保護の手続きも、必要であればしてくれます。

女性センター・福祉事務所に相談した場合

女性センター・福祉事務所内のDV相談室は、市区町村や、都道府振興局、県民局にある、DV相談機関です。
地域に密着した施設ですから、逃げる以外の目的で相談される方も多いです。
被害者はDV夫への対処のしかた、離婚した方がいいのかなど、様々な悩みを抱えています。

大きい市・区の女性センター・福祉事務所は、シェルターを持っていることもありますが、たいていはシェルターを持っていないので、
逃げるとなれば、配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)のシェルターに逃げることになります。
ですが、配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)は、都道府県にもよりますが、最悪、県に1施設という県もあります。
なので、どうしても遠くに逃げられないという方などのために、近くの民間シェルターを探してくれたりもします。
各機関と連携して送り届けてくれますから、心配いりません。

母体が市区町村等ですから、住民票などの発行禁止手続きなど、簡単にできます。
配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)に逃げた場合も、後のフォローは市区町村がすることになるので、一時逃げた後、どこに行くようになるかはわかりませんが、女性センター・福祉事務所に相談してもらったらいいです。

民間シェルターに逃げる場合

民間シェルターのパンフレットなどは、警察・配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所)・女性センター・福祉事務所にも置いてありますし、そこから民間シェルターに逃げる場合もあります。
DV関係の相談機関は、横のつながりもありますので、情報は共有されています。

首都圏や地方都市では、公的機関で相談した時でも、NPO法人のシェルターに逃げることは多いです。
その他の地域では、法テラスや市区町村、社会福祉協議会などがやっている、無料法律相談などで弁護士に相談して、その弁護士事務所が運営しているNPO法人のシェルターに逃げることもあると思います。
民間シェルターでは、夫婦、事実婚関係でなくても逃げることができる団体もあるので、色々聞いてみるといいでしょう。
その団体ごとに逃げ方もさまざまなので、聞くと、詳しく教えて下さいます。

その他のパターン

・民生委員さんや、親族・お友達に相談するパターン

上の、「公的な所に相談するのはちょっと・・・。」と言われる方は、地域の民生委員さんや親族・お友達に相談したりします。
民生委員さんですと、たいてい市区町村に連絡がありますから、女性センター・福祉事務所が相談を受けるようになります。
ある女性の民生委員さんで、自分の家に被害者をかくまって、夫と戦ってくださった方もおられます。
奇特な方もおられるものだとビックリしました。
しかし、相手は暴力を「ありき」としている人間ですから、何が起こるかわかりません。
危険はなるべく回避する判断をしてほしいと思います。

親族・お友達がかくまって、夫と戦うパターンもよくありますが、殺傷事件も起きていますから、無理はしないようにしてほしいです。
お友達は、かくまうのではなく、警察か、配偶者暴力相談支援センター・女性センターなどに、被害者を連れて行って下さるとありがたいです。
もし、弁護士さんの知り合いがおられる方は、紹介するのもいいと思います。
ただ、被害者に無理強いはしないでくださいね。

・病院、学校から通報されるパターン

最後は、被害者本人は相談する気がないのに、病院や学校でばれてしまうパターンです。

病院では、受診や健診の際に体に傷があったりすると、話を聞かれ、DVが発覚することがあります。
医師などが本人を説得しても、相談に行かない場合、病院から警察や女性センターなどに通報があったりします。
もしその時、被害者が家に帰ってしまうと、逃がすのは難しくなってしまいます。
通報されて家に行った時、さすがの警察も、家の外でも大声が聞こえるなどしないと家の中まで入ったりしませんから、結局逃げられないということはあります。

学校では、子どもが親のことを先生に行ったり、一緒に虐待を受けていて発覚することがあります。
先生も、親のDVを子どもが口にしたからといって、すぐ捜査したり、子どもに問いただしたりはしませんから、そのままになってしまうことも多いです。
DVを見ていると、子どもの情緒に影響しますから、子どもがしゃべれなくなったり、うつっぽくなったりします。
先生が見かねて親を呼んで話を聞く。となったりすると、発覚することがあります。
もし、子どもの体に傷跡や、内出血が多かったりすると、ちょっと放っておけませんから、教育委員会や児童相談所に通報することがあります。

学校からの通報は、行き先が教育委員会や、児童相談所になることが多いので、虐待と勘違いされ、DVの発覚が遅れることも多いです。
虐待とDVは、とても密接な関係ですが、役所の担当はぜんぜん違うところにあることが多いです。
そのため、虐待の担当が動いていて、「実はDVだった。」ということもあります。
途中からDVの担当が入って話をするようになりますが、それまでに時間が経ってしまっていることはあります。
そしてこれも、強制的に連れていくようなことはできませんから、被害者本人が相談に行く気にならないと、先に進まないことがほとんどです。

逃げることになったら・・・

相談して逃げることになれば、もう家に準備をしに帰ったりできない場合がほとんどです。
逃げる準備を参考に、大事なものはできるだけ、相談の時に持って行きましょう。
子どもさんがおられる方は、一緒に行きましょう。

あなたに逃げる気がなくても、第三者から見て、命の危険にさらされていることがあります。
あなたは我慢の達人ですから、「もうちょっと我慢できる。」なんて思っていると、明日、生きていられないかもしれません。
実際、DVが長引いている被害者は、逃げる気力を失っている場合が多くあります。
相談に行く気になったのは、何かの契機です。
これををきっかけに、安全で、自分を大事にできる環境に行きましょう。

次の、シェルターの種類では、シェルターにはどんな所があるのか、お話ししていきます。
いつも最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

スポンサードリンク