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大丈夫。自由は怖くない

相談したらどうなるの?

暴力をふるわれた日、もう「抜け殻」のようになってしまった妻。
これからどうしたらいいのかわかりません。

誰かに相談したい。
でも誰に相談したらいいの?

外の情報が少ない妻にとって、自分がどういう状況で、どこに行くべきなのかわからない。
昨日、死の危険を感じたけれど、今は生きている。
警察に行くのは大げさすぎるかもしれない。
でも市区町村のどこで相談できるかわからない。
相談に行ったところで、この生活が変わるわけでもないだろうし、それにもし、相談に行ったりしたのがバレると、夫に何をされるか…。

子どものためにも自分さえ我慢すれば、時は過ぎていくし。
自分が夫の望むような妻になれれば、暴力は止むかも・・・。

グルグル考えて、結局相談に行くことができません。

そして、暴力はさらにひどく、慢性化していきます。

行ったら行ったで・・・

死の危険を感じた日、妻はやっと相談に行こうと思い立ちます。
体の傷を隠すように、スカーフを首に巻きます。
あざを隠すため、厚化粧をしてサングラスをかけ、コソコソと家を出ます。
夫が絶対帰って来ない時を見計らって。

警察に着き、相談室に通されます。
職員に「DVということですが、どんな状況ですか?」と聞かれます。

妻は、その時なぜか、「そんなに(暴力は)ひどくはないんですけど…。」とか「私も悪いんですけど…。」とか言っちゃうんです。
昨日は死の危険を感じるほどの暴力をふるわれているのにも関わらずです。

謙遜に言うのはもうプロ級ですから、自分が被害者だって言えないんです。
そして、やっぱりプライベートの核の部分ですから、初対面の人に上手に言えません。

警察も、本人がそう言っているし、シェルターなどで一時保護するのも強制はできないですから、「また何かあったら来て下さいね。」と言って帰らせます。
で、帰っちゃうんです。

かたや、家で待っている夫は・・・。

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誰も悪くないのですが、こういうことはよくあります。

他にも、子どもを連れてきていない、夫がもうすぐ帰ってくる時間、お金を持ってきていないから不安など、様々な理由で逃げることができない場合があります。
それでも、相談に来てくださった方は、次への手がかりができるので、ありがたいです。
これを見てくださっているあなたは、ちょっとのことでもいいので、相談してくださいね。

相談に行ったらどうなるの?

どこに相談するかによっても違いが出てきますが、基本、相談機関は、被害者の話を聞いて、どれぐらいの危険性か?を判断して、身体的暴力がひどく、生死にかかわる危険な場合は、シェルターなどに逃げることを勧めます。

その時すぐ逃げられるようであれば、シェルターに一時保護します。もし公的シェルターが空いていなかったり、要件に合わない場合(加害者が夫でない場合など)は、保護してくれる施設・団体などを探します。

また、今は逃げられないけど逃げたい気持ちがある場合は、いつ逃げるか作戦を練り、夫の動向などをみて、シェルターに一時保護したり、民間シェルターなどに保護したりします。

被害者が逃げたくない場合は、危険と判断すれば、何回も会ったりして、ゆっくり説得したりもします。
夫に精神的にもコントロールされているため、心を開いてもらうのには、時間がかかることもあります。

その他、身体的暴力があまりひどくない時は、個別の状況によって、定期的に会ったりして今後の対策を練ります。

相談に行っても、無理矢理シェルターなどに連れていかれることはありませんし、被害者の意に反した対策を立てることもありません。
また、秘密は守られますから、何を言っても大丈夫です。
そして、一度相談したらもう終わりではなく、同じ話でも何度も聞いてもらえますから、遠慮なく相談して下さい。

シェルターを出た後

シェルターの中のことは後でお話ししますが、一時保護が終わると、そのころには保護命令が出ているでしょうから、とりあえず、生活保護を受け(お金を持って逃げられたらいいのですが、着の身着のまま逃げるようになるので…。)たり、ご実家やお友達の援助を受けたりして、家から遠く離れた場所に新しく部屋を借りて生活したり、福祉事務所に母子生活支援施設などの施設を探してもらったり、夫の知らない親族や友達の家に身を寄せるなど、被害者の状況と希望に合った処遇を、安全を最優先して決めていきます。
市区町村営住宅に一時避難できることなどもあり、様々な場所で新生活を始めることになります。

保護命令が出た直後は、警察も付き添ってくださったりするので、その間に家にある荷物を運んで、引っ越しをします。(被害者の心理状態などによりできない場合もあります。)

そして離婚を望めば、手続きをします。
DV関係のNPO法人は弁護士事務所が運営している場合が多いので、離婚調停などの手続きはスムーズですから、被害者が難しい段取りをすることはあまりありません。

ここまで、一般的な流れを説明しましたが、やはり人それぞれ色々な事情があるので、当てはまらないところも出てくるとは思いますが、相談機関は最後までサポートしますから、心配はいりません。

次は、どこに相談したらいい?に続きます。

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