はじめまして。レイラです。
こんにちは。レイラ・コンフォートと申します。
私は以前、ある自治体でDV相談の担当をしていました。
毎日DVに悩む女性(時には男性)の相談を受けて、一緒に悩みながら解決法を模索していきます。
暴力がひどい場合は、警察や保健師、NPO等と連携してシェルターに逃がします。
シェルターを出た後は、その後の生活をどうしたいか、どんな人生にしていきたいかを話し合って、遠くに引っ越す手助けをしたり、母子生活支援施設等の施設を紹介したりもします。
そして時間がたった後、電話したり訪問したりといった、その後の生活をトータルサポートしていく仕事です。
今はいろいろあって辞めているのですが、全国で、今も悩んでいるであろうたくさんのDV被害者のお役に立てればと、このサイトを立ち上げました。
被害者の方はもちろんですが、その友人やご家族にも見ていただいて、みんなを巻き込んで協力してもらって、
どんどん逃げて、自由になって、思い通りの人生を生きてほしい!!
と、心から願っています。
あなたは、「誰かの犠牲になるため」に生まれてきたのではありません。
相談を受けていて、「自分は無力だ」と感じる時
DV相談員になって最初のうちは、
話を聞いているだけで、「痛い」です。
毎日「痛い」話を聞きますから、普通の常識と思っていたことがくつがえされ続け、目の前の世界が、今までと違うものに思えてきます。
だんだん「私の方がおかしいのか?」と思えてきたりもします。
そこを意識して、別の相談員と話したり、全く関係のない人と、全く関係のない話をして、「自分を取り戻す作業」が必要になってきます。
それが上手くいかず、つらくなって辞めたり、うつ病やパニック障害になり、通院を余儀なくされる相談員もいます。
私も慣れるまでは、ストレスで何㎏か太りましたが、シングルマザーの私にも、それを活かして何かできることがあるのではないかと思い、先輩の意見を聞いたりして、踏ん張っていました。
何件か聞くうちに、加害者は、同じような発言で、同じような行動をすることが分かってきます。
相談に来られる被害者も、同じような発言で、同じような行動をすることが分かってきます。
両方の特性はおいおいお話ししますが、相談を受けていて、最も自分を無力と感じることとは、
せっかく逃げたのに、元に戻ってしまう
ことです。
最初、相談に来られて、DVの状況を聞きます。
一緒に悩んで、解決への作戦を練り、別れるのか、シェルターに逃がすのかなどを決めます。
逃がすことに成功すると、関係者一同、大喜びです。
何週間かシェルターで過ごして、親族や生活保護の力を借りて遠くのアパートや、母子生活支援施設などの施設で生活を始めます。
初めから関わっている相談員は、電話で近況を聞いたり、訪問して様子を見たりして、
「よかったね~。これから自由を満喫して生活していこうね~。」
などと話してほっとして、ひと時の達成感と安堵感に浸ったりします。
この仕事をしていて、最高の瞬間です。
この瞬間のためにこの仕事をしているようなものです。
その最高の瞬間に浸っている私を、どん底に突き落とす出来事が起こります。
しばらくして、警察などの関係者から、
「彼女が家に帰っている。」
と連絡があるのです。
「え~?!マジかよ?!」
もうガックリです。
急いで電話してみます。
私、 「家に帰ってるって本当?」
逃げた女性、「えっ?あっ、はい。」
私、 「何で?」
女性、「それでも逃げてきた訳だから連絡しておかなきゃって。で、話したら、もうしないって、すごく謝ってきたからもう大丈夫かなって。ほんとは優しい人だから。」
私、 「えっ?あれほど連絡とらないでって念押ししたじゃない。」
女性、「でも、一応夫婦だし、あんまり謝られたからかわいそうになって・・・。」
私、 「本当にそうなの?言わされてるんじゃない?大丈夫?」
女性、「大丈夫。もう一回やり直してみる。」
私、 「分かったわ。じゃあまた何かあったら連絡してね。待ってるから。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
続きはもう予想つきますよね?
程なくして、また暴力は始まります。
以前より、ひどい暴力が。
もう無力感でやるせない気持ちでいっぱいです。
「今までやってきたことはすべて無駄だったのか。」
「私の説明の、何がいけなかったんだろう?」
「彼女の何が家に帰らせたのだろう?帰ってもまた暴力をふられるのに・・・」
色々な思いが、頭の中を堂々巡りです。
そして結局答えは出てこないのです。
暴力がまた始まっても、次はさすがに自分からは相談に来れないようです。
ですが、今度は警察や保健師などもチェックしているので、更なる暴力はすぐ見つかります。
暴力の頻度は多くなっているので、なるべく速く逃がす段取りをつけます。
また一からやり直しです。
今度は夫の方も警戒しているので、タイミングを探るのに一苦労です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こういうことは本当によくあります。
未遂の人(帰ろうとして誰かに止められたなど。)を含めると、半数近いパーセンテージだと思います。
暴力をふられて、つらくてたまらないのに、
「ほんとは優しい人なの。」とか
「かわいそうでつい・・・」とか、
「あの人(夫)は私がいないとダメな人だから・・・」とか
言っちゃう女性が出来上がり、
素直に「どうして?」な出来事が起こるのが、DV相談の現実です。
このサイトは、その「どうして?」を探っていき、暴力をふる夫とでさえも一緒にいなければ生きていくことができなくなってしまった女性に、何度も言いますが
自由に自分の人生を作っていく喜びを知ってほしい!!
と願ってやまないサイトです。
敬称のこと
このサイトでは、被害を受けている方のことを「妻」と呼び、加害者のことを「夫」と呼びます。
結婚されていない方は、「夫」を「彼氏」と読み替えてください。
もしあなたが男性なら、「夫」を「妻」や「彼女」と読み替えてくださったらいいですが、女性の暴力の場合は少し形態が違うので、また別の欄を設けて話していきたいと思います。
親と子のDVは全く形態が違うので、またそれも別の欄を設けたいと考えています。
このサイトを離れる時に気を付けてほしいこと
このサイトをご覧いただいている被害者の方は、夫にスマホ・携帯・パソコンを見られる可能性が高いです。
くれぐれも、このサイトを見た履歴が残らないよう、履歴欄からこのサイトの情報を消す等してくださいね。
長文を読んでくださってありがとうこさいました。